定時を過ぎてから、退院時指導の書類と向き合う夜…ありませんか?「今日も残業になっちゃった…」「本当は家族との時間を大切にしたいのに」。そう思いながらパソコンに向かっている理学療法士や作業療法士は、きっと少なくないはずです。書類に追われる毎日が続くと、いつの間にか「これが普通」だと思い込んでしまいますよね。でも、その時間の一部は、AIの力を借りればちゃんと減らせます!この記事では、急性期病院で働きながらChatGPTを退院時指導の作成に取り入れている実例を、個人情報の扱い方から具体的な指示文まで、順番にご紹介します。特別な知識がなくても、今日から試せますよ。
リハ子
カエル先生
リハ子
カエル先生ChatGPT活用時の個人情報の注意点
リハ子
カエル先生利用前の3つの確認
業務での利用が認められているか確認する。
入力内容がAIの学習に使われる設定になっていないか確認する(オフにできる)。
個人を特定できる情報を含めない。
ChatGPTを退院時指導に使うと聞いて、まず気になるのは個人情報のことじゃないでしょうか?患者さんの情報を守るのは、リハ職として当然の責任です。だからこそ、AIに入れていいもの・ダメなものを、最初にはっきりさせておきましょう。ここがあいまいなままだと、便利さより不安のほうが大きくなってしまいます。実際に気をつけている考え方を、例と一緒にお伝えしますね。読み終わる頃には、安心して一歩を踏み出せるはずです!
入力してはいけない情報
まず大前提。実名・生年月日・住所・入院日など、個人を特定できる情報は入力しません。入力した内容が学習や改善に使われる可能性を、多くのAIサービスが否定していないからです。
たとえば「〇〇病院に入院中の78歳女性」はNG。「高齢の女性、大腿骨頸部骨折術後」のように書き換えます。ご家族の名前や連絡先、勤務先なども、本人が特定される手がかりになるので要注意。書き方をちょっと変えるだけで、安心して使える範囲がぐっと広がりますよ。
- 実名・ニックネーム
- 生年月日・年齢の詳細
- 住所・勤務先名
- 入院日・手術日などの具体的な日付
匿名化・仮名化の具体例
「匿名化」と聞くと難しそうですが、やり方はシンプルです!年齢は「〇〇代」に、疾患名はそのまま、家族構成は「一人暮らし予定」、環境は「階段のある住居」のようにぼかします。
たとえば「78歳女性、独居、大腿骨頸部骨折術後」なら、「高齢者、一人暮らし予定、大腿骨頸部骨折術後」でOK。日付や場所も同じで、「9月に入院」ではなく「先月入院」のような言い方にすると、さらに安心です。これくらいぼかしても、AIにはちゃんと伝わります。
職場のルール確認の重要性
ただ、自分だけで「大丈夫」と決めてしまうのは危険です。病院や施設によって、AIを使うときのルールは違うからです。
情報システム部門やコンプライアンス担当に、一度確認しておくと安心。まだルールが決まっていない職場も多いので、その場合は上長に相談して、OKをもらってから始めましょう。自己判断で進めてしまうと、あとで思わぬトラブルになることもあります。
もうひとつの安心材料が、ChatGPT自体の設定です。「すべての人のためにモデルを改善する」をオフにしておけば、それ以降の会話は学習に使われなくなります。
リハ子
カエル先生- 右上のプロフィールアイコンから「設定」を開く
- 「データコントロール」を選ぶ
- 「すべての人のためにモデルを改善する」をオフにする
ただし、これはあくまで“おまけ”の安心材料。過去に送った内容はさかのぼって消せませんし、オフにしたあとも、不正利用を防ぐために一定期間はデータが保存されます。設定をオフにしても、「個人情報は入れない」というルールはそのままです!
退院時指導をAIで作る3つの手順
リハ子
カエル先生下書き作成の3ステップ
- STEP 01
伝える内容を整理
必要な項目と、特に伝えたいことを決める。 - STEP 02
AIで文章化
指示文を使って、下書きを作る。 - STEP 03
担当者が確認・修正
事実と表現を確かめて仕上げる。
個人情報の扱い方が分かったら、いよいよ作り方です!難しい操作はいりません。3つの手順を踏むだけで、下書きが完成します。症状の整理からChatGPTへの指示、出力のチェックまで、実際の流れにそって見ていきましょう。最初は戸惑うかもしれませんが、慣れれば数分の作業です。AIが初めての方でも、この順番どおりに進めれば迷いませんよ。
症状と生活状況の整理
まずは、患者さんの情報を整理します。次の10項目を意識しておくと、AIへの指示文がスムーズに作れます。
- 年齢層・疾患名(例:高齢者、大腿骨頸部骨折術後)
- 退院先(例:自宅、施設)
- 家族構成(例:一人暮らし予定、同居家族あり)
- 生活環境(例:階段のある住居、エレベーターなし)
- 現在の移動能力(例:屋内歩行器で自立、屋外は付き添いが必要)
- ADLと必要な介助(例:入浴の見守りが必要、更衣は自立)
- 退院後に心配している生活場面・リスク(例:階段昇降時の転倒)
- 家族にお願いしたい見守り・介助(例:入浴時の見守り)
- 自宅内の移動や外出などで注意してほしいこと(例:夜間は必ず照明をつける)
- 退院後も継続してほしいこと(例:下肢筋力訓練)
全部そろっていなくても大丈夫!分かる範囲で整理しておくだけで、指示文がぶれずに作れて、あとから情報を足す手間も減ります。慣れてくると、カルテを見ながら数分で整理できるようになりますよ。
ChatGPTへの指示文の作り方
指示文(プロンプト)の使い方はいくつかありますが、おすすめは、ChatGPTと会話しながら情報を引き出してもらう方法です。音声入力を使えば、パソコンに向かえないときでも進められます。ただし、患者さんのことを声に出すことになるので、周りに人がいない場所で、個人情報を含めない形で使いましょう。
リハ子
カエル先生使う前に、職場のルールと入力内容を確認してください。
スマホ・会話向けChatGPTと話しながら、1問ずつ答えていく使い方です。音声入力もできます。
患者さん本人・ご家族向けの「退院後の生活上の注意点」を作成したいです。
私が担当PTとして把握している情報を引き出すため、以下の内容について1回に1つずつ質問してください。
・年齢層・疾患名
・退院先
①家族構成
②生活環境(住居の階段や段差の有無など)
③現在の移動能力(立ち上がり・移乗・歩行など)
④ADLと必要な介助
⑤退院後に心配している生活場面やリスク
⑥家族にお願いしたい見守り・介助
⑦自宅内の移動や外出などで注意してほしいこと
⑧退院後も継続してほしいこと
まず、①〜⑧のうち、今回特に重点的に伝えたい項目の番号を聞いてください。番号が挙がった項目は詳しく質問し、それ以外の項目は簡単な確認にとどめてください。
質問には、可能なものは選択肢を提示し、番号で回答できるようにしてください。「その他(自由入力)」も設けてください。
回答には、患者さんを特定できる情報(実名・生年月日・住所など)は含めないでください。年代や状態が伝わる表現でお答えします。
すでに回答した内容は繰り返し質問せず、十分な情報が得られている場合は深掘りしすぎないでください。不足している場合のみ追加で質問してください。
必要な情報がそろったら、患者さん・ご家族にわかりやすい言葉で、退院時指導の下書きにまとめてください。
「できること」「見守りや介助が必要なこと」は、遠回しにせず、「〜は可能です」「〜には見守りが必要です」のように、はっきりと言い切る書き方にしてください。全体は300〜400字程度でまとめてください。
入力していない患者情報を推測したり、疾患名だけから症状を判断したり、私が回答していない指導内容を追加したりしないでください。
それでは、最初の質問を1つしてください。
パソコンでまとめて入力したいときや、退院先が施設のときは、下から選んでみてください。
空欄を埋めて一度に指示したいときは、このテンプレートを使ってください。
空欄を埋める前に、職場のルールと入力内容を確認してください。
パソコン・一括入力向け空欄[ ]を埋めて、一度にまとめて送る使い方です。
【コピペ用テンプレート:患者さん・ご家族向け】
以下の情報をもとに、患者さん本人・ご家族向けの「退院後の生活で気をつけていただきたいこと」の下書きを作成してください。
年齢層・疾患名:[ ]
退院先:[ ]
①家族構成:[ ]
②生活環境(住居の階段や段差の有無など):[ ]
③現在の移動能力(立ち上がり・移乗・歩行など):[ ]
④ADLと必要な介助:[ ]
⑤退院後に心配している生活場面・リスク:[ ]
⑥家族にお願いしたい見守り・介助:[ ]
⑦自宅内の移動や外出などで注意してほしいこと:[ ]
⑧退院後も継続してほしいこと:[ ]
重要指導ポイント:( )番
※患者さんを特定できる情報(実名・生年月日・住所など)は入力しないでください。
患者さん・ご家族が理解しやすいよう、専門用語をできるだけ使わず、実際の生活をイメージしやすい文章にしてください。
「できること」「見守りや介助が必要なこと」は、遠回しにせず、「〜は可能です」「〜には見守りが必要です」のように、はっきりと言い切る書き方にしてください。
( )番の項目は文章の中心として詳しく扱ってください。番号のない項目は、記載があれば補足として軽く触れる程度にし、空欄の項目には触れないでください。
全体を300〜400字程度でまとめてください。
入力されていない患者情報を推測したり、疾患名だけから症状を判断したり、入力内容にない指導を追加したりしないでください。
[ ]の部分に、担当している患者さんの情報をそのまま当てはめるだけで完成です!①〜⑧を全部細かく埋める必要はありません。今回とくに伝えたい項目の番号を「重要指導ポイント」に書き込めば、AIがそこを中心にまとめてくれます。
退院先が自宅ではなく施設の場合は、患者さん・ご家族向けとは別に、スタッフ向けの申し送り文を用意しておくと引き継ぎがスムーズです。専門用語を使ってかまわないぶん、ADLの状況やリハビリの目標を中心にまとめます。
▼会話形式(音声入力の精度や会話のスムーズさから、ChatGPTがおすすめです)
使う前に、職場のルールと入力内容を確認してください。
スマホ・会話向けChatGPTと話しながら、1問ずつ答えていく使い方です。音声入力もできます。
退院先施設のスタッフへ向けた「リハビリ状況・生活上の申し送り」を作成したいです。
私が担当PTとして把握している情報を引き出すため、以下の内容について1回に1つずつ質問してください。
・年齢層・疾患名
①現在の移動能力(立ち上がり・移乗・歩行など)
②ADLの状況と必要な介助量
③リハビリで行ってきた内容・訓練経過
④退院時点での機能面の課題・注意点(転倒リスクなど)
⑤服薬状況や医療的な留意事項(あれば)
⑥退院後のリハビリ目標・継続してほしい訓練内容
⑦申し送りたい生活上の注意点
⑧家族の介護力・関わり状況(あれば)
・その他申し送りたいこと
まず、①〜⑧のうち、今回特に重点的に申し送りたい項目の番号を聞いてください。番号が挙がった項目は詳しく質問し、それ以外の項目は簡単な確認にとどめてください。
質問には、可能なものは選択肢を提示し、番号で回答できるようにしてください。「その他(自由入力)」も設けてください。
回答には、患者さんを特定できる情報(実名・生年月日・住所など)は含めないでください。年代や状態が伝わる表現でお答えします。
すでに回答した内容は繰り返し質問せず、十分な情報が得られている場合は深掘りしすぎないでください。不足している場合のみ追加で質問してください。
必要な情報がそろったら、退院先施設のスタッフに向けて、ADLの状況とリハビリ継続のポイントが伝わる申し送り文としてまとめてください。専門用語を使って構いません。全体は300〜400字程度でまとめてください。
入力していない患者情報を推測したり、疾患名だけから症状を判断したり、私が回答していない内容を追加したりしないでください。
それでは、最初の質問を1つしてください。
▼一括入力形式
空欄を埋める前に、職場のルールと入力内容を確認してください。
パソコン・一括入力向け空欄[ ]を埋めて、一度にまとめて送る使い方です。
以下の情報をもとに、退院先施設のスタッフへ向けた「リハビリ状況・生活上の申し送り文」を作成してください。
年齢層・疾患名:[ ]
①現在の移動能力(立ち上がり・移乗・歩行など):[ ]
②ADLの状況と必要な介助量:[ ]
③リハビリで行ってきた内容・訓練経過:[ ]
④退院時点での機能面の課題・注意点(転倒リスクなど):[ ]
⑤服薬状況や医療的な留意事項(あれば):[ ]
⑥退院後のリハビリ目標・継続してほしい訓練内容:[ ]
⑦申し送りたい生活上の注意点:[ ]
⑧家族の介護力・関わり状況(あれば):[ ]
重要申し送りポイント:( )番
※患者さんを特定できる情報(実名・生年月日・住所など)は入力しないでください。
ADLの状況とリハビリ継続のポイントが伝わるよう、申し送り文としてまとめてください。専門用語を使って構いません。
( )番の項目は文章の中心として詳しく扱ってください。番号のない項目は、記載があれば補足として軽く触れる程度にし、空欄の項目には触れないでください。
全体は300〜400字程度でまとめてください。
入力されていない患者情報を推測したり、疾患名だけから症状を判断したり、入力内容にない指導を追加したりしないでください。
下書きは、どう直す?
架空の文章例です。実際の患者情報やChatGPTの実測出力ではなく、修正の考え方を示すために作成しています。
伝えたい内容:説明した内容でわからない点は、担当スタッフに確認してほしい。
不明点がございましたら、適宜ご照会ください。
説明した内容でわからないことがあれば、担当スタッフにおたずねください。
直したポイント:「適宜ご照会」を日常の言葉に置き換え、誰に聞けばよいかを明確にしました。新しい指導内容は追加していません。
リハ子
カエル先生出力文のチェックと修正
AIが作った文章を、そのまま渡すのはNGです。実際の患者さんの状況と照らし合わせて、必ず自分の言葉で仕上げます。
AIは、その患者さんならではの事情までは分かっていません。専門用語が急に混ざっていたり、実際とは違う家族構成や環境が書かれていたりすることも。違和感のある表現や事実と違うところがないか、印刷する前にもう一度だけ読み直しましょう。
AI活用の得意分野と注意点
カエル先生
リハ子下書きはAI、仕上げは担当者
文章の下書き・言葉の言い換え
事実との一致・指導内容・伝わりやすさ
AIを使い始めると、なんでもできそうな気がしてきますよね!でも実は、得意なことと苦手なことがはっきり分かれています。得意なところは任せて、苦手なところは自分で補う。この役割分担が大切です。線引きを知らないまま使うと、思わぬ失敗につながることも…。実際に使ってみて感じた得意・苦手を整理しますね。
定型文章の下書き作成
AIがいちばん力を発揮するのは、決まった型のある文章の下書きです。退院時指導のように、伝える項目がある程度決まっている文章は、AIと相性ばっちりです。
ゼロから文章を考える時間が、ぐっと短くなります。真っ白な画面を前に言葉を探す時間がなくなるだけでも、気持ちがかなりラクになりますよ。まずは下書きづくりから任せてみましょう!
専門用語の言い換え
医療用語を、患者さん向けの分かりやすい言葉に言い換えるのも、AIの得意技です。たとえば「荷重制限」を「体重をかけてはいけない期間」に言い換える、といった具合です。
ふだん何気なく使っている言葉ほど、患者さんには伝わりにくいもの。言い換えに時間を取られていた方ほど、時短の効果を感じやすいはずです。
正確性確認の必要性
一方で、医療情報の正確さまでは保証されていません。古い情報や、一般的には正しくても、その患者さんには当てはまらない内容が混じることもあります。
AIが出した内容をうのみにせず、必ず自分の知識と照らし合わせて確認しましょう。最後に責任を持つのは、AIではなく自分です。
退院時指導へのAI活用でよくある質問
気になりやすいポイントを、質問の形でまとめました。個人情報の扱いから、ほかのAIツールとの違いまで取り上げています。どこから読んでも分かるようにしているので、気になるところから読んでみてください!
患者の実名を入力しても良いですか
実名の入力はおすすめしません。年齢層や疾患名など、個人を特定できない形に置き換えてから使ってください。生年月日や住所も同じように、ぼかした表現に直しましょう。
無料版のChatGPTでも使えますか
無料版でも、退院時指導の下書きづくりには十分使えます。まずは無料版で試してみて、使う回数が増えてきたら有料プランを考える、くらいで大丈夫です。
AIが作った文章をそのまま渡しても良いですか
そのまま渡すのはおすすめしません。必ず中身を確認して、患者さんの実際の状況に合わせて直してから使ってください。表現が硬すぎるところは、口で説明するときの言葉に近づけると伝わりやすくなりますよ。
職場でAI利用を禁止されている場合はどうすればいいですか
職場のルールが優先です。情報システム部門や上長に相談して、方針がはっきりしてから使いましょう。個人のスマホなど、仕事用以外の端末で使ってよいかも、あわせて確認しておくと安心です。
ChatGPT以外のAIでも同じ方法が使えますか
考え方は同じです。個人情報を入れない、出力は必ず確認する。この2つを軸にしつつ、サービスごとのデータの扱いも確認しておけば、ほかのAIでも使えます。使い慣れたAIがあるなら、まずはそちらで試してみるのもアリです!
まとめ
リハ子
カエル先生個人情報を入れないことに加えて、職場のルールや、使うサービスのデータの扱いも確認しておけば、AIは退院時指導の下書きづくりを安心して手伝ってくれます。慣れないうちは戸惑うかもしれませんが、1件、2件と試すうちに、自分なりのやり方が見えてくるはずです。
まずは1件、今日担当している患者さんの下書きから試してみませんか?小さな一歩が、定時で帰れる毎日への近道です!AIをまだ触ったことがない方は、ChatGPTの始め方をまとめたこちらの記事もあわせてどうぞ。【AI未経験でも大丈夫】リハ職のためのChatGPT登録&使い方ガイド

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